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Inquiry

EEDI対応のソリューション―高効率を誇るMAP Mark-Wプロペラで燃料コスト削減とEEDI規制準拠に貢献

概要

Propeller

当社は、従来の自社プロペラ製品MAP(Mitsubishi Advanced Propeller)をさらに進化させ、高効率・低起振力プロペラ MAP Mark-Wを開発しました。

MAP Mark-Wは、キャビテーション性能と強度を維持したまま、MAPと比較して燃費効率を約2~5%向上させます。また、お客様の減速運航条件に合わせて最適な設計を行い、燃料コスト削減に貢献します。さらに、レトロフィットも対応可能です。

EEDI規制対応に対する三菱重工舶用機械エンジンのソリューションのひとつとして、MAP Mark-Wを紹介します。

背景と詳細

国際海運業をとりまく環境保全活動とEEDI規制

近年、あらゆる分野で国際的な環境保全の重要性が増しています。海運事業分野においても、国際海事機関(International Maritime Organization: IMO)では、船舶からの温室効果ガス(Greenhouse Gas: GHG)排出規制としてCO2の排出に関する国際的な取り決めが検討され、2013年よりEEDI規制が開始されています。

エネルギー効率指標(Energy Efficiency Design Index:EEDI)とは、1トンの貨物を1マイル運ぶ際に船舶から排出されるCO2の重量を示します。この規制では、IMOが定めた船種の新造船に対し、EEDIの計算値が要求値を満たすことを義務付けています。

EEDI低減のアプローチとして、当社は従来品MAPを進化させたプロペラ製品、MAP Mark-Wを開発しました。

船の推進性能におけるプロペラの重要性

船の推進性能向上を考えるとき、第一にプロペラに着目される船主様、造船所様は、あまり多くありません。しかし、船の推進性能にプロペラの性能は大きく関わってきますから、やはりプロペラは重要な部品といえます。

世界では数多くの就航船が日々、航海しています。当社は、新造船向けはもちろん、そうした就航船を管理・運用されている船主様に、既存のプロペラから高効率プロペラMAP Mark-Wに切り替えていただくことで燃料コスト削減メリットを提供していきたいと考えています。

燃費効率に対するMAP Mark-Wの効果

従来、プロペラには燃費効率に係る性能と、船が寿命を全うするまで損傷しない耐久力が求められていました。しかし、近年環境規制の強化や燃料費高騰などの市場の変化に伴い、プロペラにはこれまで以上に高い燃費料効率が求められています。

2013年からEEDI規制がスタートしましたが、従来と同じ船速を少ない燃料消費量で運航する為の一つのアプローチとして、プロペラの燃費効率改善が考えられます。当社のMAP Mark-Wは、従来のMAPプロペラと比べて燃費効率を約2~5%改善させ、EEDI規制のクリアにも大きく貢献します。

減速運航との組み合わせ

MAP Mark-Wは全負荷域で燃費効率を高めることができる為、減速運航を行っている就航船に適用することで、更なる燃料コスト削減が可能となります。さらに、当社のMAP Mark-Wは、お客様の減速運航条件に合わせて最適な設計ができるという特長があります。たとえば、100%MCR運航を想定して設計したプロペラを、70%MCR常用運航に最適なMAP Mark-Wにレトロフィットすることで、燃費効率が約5~10%改善します。

MAP Mark-W 開発のポイント

Propeller

燃費の改善には、プロペラ推進効率を上げることが重要な要素です。しかし、通常、プロペラ効率を上げると翼面上の気泡の発生量も増加し、いわゆるキャビテーション性能が悪化してしまいます。キャビテーションの発生を抑え、なおかつプロペラの強度を維持したまま効率を上げるにはどうしたらよいでしょうか。

翼先端に発生する気泡によるエネルギーロスを抑える技術は、飛行機の翼先が曲がっているように、翼端の形状を工夫すれば改善されることはわかっています。

この形状に着目した高効率プロペラの研究開発の過程で、効率を向上させるために翼の面積を減らしても、翼先端形状を変えることでキャビテーション性能が悪化しない効果もあることが解りました。

模型試験を実施し試行錯誤を繰り返した結果、最適プロペラ形状の設計手法を確立しました。

このように理論上の理想的な形状は設計できましたが、製造面での次なる課題が待ち受けていました。通常プロペラは鋳物で製造されるため、形状が複雑になれば製造の難易度があがります。期待どおりの品質を実現するには、設計どおりに作ることができる製造技術、ノウハウが必要なのです。

1904年にプロペラ事業を開始して以来100年余り。三菱重工では、その1世紀以上の実績の中で、5,500基以上のプロペラを自社内で製造し、技術やノウハウを受け継いできました。MAP Mark-Wの開発においても、その長年培ってきた製造技術力が活かされています。

お客様のニーズや社会の変化を受け、お客様視点での発想を的確に製品へ反映させる設計力。そして、設計図どおりに製品をつくりあげる製造力。高効率プロペラMAP Mark-Wは、設計部門と製造部門の両輪が、それぞれの力を発揮しながら互いに連携することで実現できたのです。

今後の展開・戦略

現在、当社では、プロペラなど単体製品の改善だけでなく、他の製品と組み合わせることによるソリューションの改善も進めています。環境規制対応製品や省エネに関する単体製品の開発を進める一方で、環境に優しい舶用製品を組み合わせたシステムを、より高いレベルの総合的なソリューションとして、国内外のお客様に積極的にご提案し、この星に確かな未来を築くこと。それが、当社のミッションです。

その実現のため、当社では組織の再編やProject MEETの立ち上げなどを行ってきました。MAP Mark-WもProject MEETの活動による成果のひとつです。

これからも、お客様視点に立ち、技術力の向上、ノウハウの蓄積などに日々努めていきます。

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